巻き返しを図るため
社員が隈研吾氏とのコラボを提案
はじまりは2016年。会社の成長に伴って社員が増えるなか、課題となったのが雨天時の対応だった。雨が降ると屋根工事などの屋外作業ができず、人件費だけがかさんでしまう。この問題を解決するために立ち上げたのが、多目的に使える小屋の製造・販売だった。サイズが小さく工場内で作業ができる利点があり、当時は男性を中心に小屋ブームが起きていたことから期待感も高まった。
早速ベーシックモデルをつくり販売を開始したが、売上は想定の半分程度。ニーズはあるものの、購入につながりにくいのが現実だった。
もっと多くの人に知ってもらい、関心をもってもらうにはどうすればいいのか――。社長をはじめ事業に関わるメンバーが頭を悩ませていたとき、当時入社2年目の営業スタッフだった社員が「隈研吾さんに連絡します」と提案。周囲が一瞬キョトンとしたのも無理はない。隈研吾さんといえば、新国立競技場をはじめ国内外で注目される建築を数多く手がける世界的建築家。正直なところ、社長も最初はコラボレーションが実現するとは思っていなかったという。
しかし、行動を起こせば、わずかでも可能性は生まれる。また、隈さんはスケールの大きい建築だけでなく、小規模の建築も手掛けている。当時もアウトドアブランド、スノーピークのトレーラーハウス『JYUBAKO(住箱)』の設計が話題になっていて、小屋プロジェクトとの親和性も感じられた。
「よし、やってみよう!」、スタッフの提案に社長がGOサインを出し、プロジェクトが動きだした。


